メールサーバーとのつきあい方(大量メール配信のコツ)
メールサーバーの確保―迷惑メール規制強化との関係
はじめに
『エクセルでEメール+』の開発には想像以上の時間を費やしてしまいました。原因はプログラム自体の難しさではなく(プログラム上、大量メール配信システムを構築することはさほど困難なことではありません)、昨今のメールを取り巻く環境の変化、つまり、プロバイダの迷惑メール規制の強化にあります。実に様々な手段を用いてメール送信に規制をかけており、その対応策に時間が取られたのです。
出会い系サイト、フィッシング詐欺、架空請求などの手段としての迷惑メールは社会問題となっており、プロバイダとして当然取るべき措置なのでしょうが、いざ自分がメール送信を効率的に行うためのプログラムを開発してみると、その規制のきめ細かさには改めて驚かされている次第です。
こうした中、一般の人が、できるだけお金をかけず、独自の情報発信ツール=メール配信スタンドを持つのはかなり困難なことといえるでしょう。
もちろんASPサービスを利用すれば、本ソフトが有している機能もある程度は実現された上で、大量にメール配信することが可能です(操作性・機能はデスクトップアプリケーションである本ソフトの方が格段上だと思います)。
しかし、月3,000通(1日あたり100通)程度で月々約5,000円ほどの出費は覚悟しなくてはいけません。
そこで、『エクセルでEメール+』の登場というわけですが、本ソフトだけではもちろんメール送信はできません。メールを送信するためのメールサーバーを何らかの形で確保する必要があります。
ここでは、迷惑メール規制との関係でどうやってメールサーバーを確保したらいいのかについて解説します。
メールサーバーを確保する方法
自前でメールサーバーを運用する
自前でメールサーバーを運用するという方法があります。
自分には関係がないという方は、以下の「自前でメールサーバーを運用する」の箇所は読み飛ばしてください。
まず自前でメールサーバーを運営するには、専門的知識が必要ですし、サーバー機を調達するためのコスト(Windows系サーバーOSを利用する場合には、さらに高額なソフト料金)や運用のための労力がかかります。
仮に上の条件をクリアできたとしても、2006年度から Inbound Port 25 Blocking(迷惑メール規制の一つ) を採用するプロバイダ(大手の nifty など)が登場してきたため、固定IPアドレスを取得する必要も出てきました。
ここではネットワークの専門的な話は割愛させて頂きますが、ほとんどの方が固定IPアドレスではなく動的IPアドレス (主にADSLなどにより割り当てられます) です。
Inbound Port 25 Blocking とは、簡単に言えば、こうした動的IPアドレスから配信されるメールを受け付けないというものです。
しかし、固定IPアドレスを取得・維持するには経費がかかります(プロバイダによりかなり価格の幅がありますが、月々数千円程度)。
結局、総合的に判断すると、自前でメールサーバーを運用するという方法はあまり一般向けとはいえませんが、以上の条件をクリアできるのであれば、この方法が最も制約がなく、『エクセルでEメール+』との組み合わせで、ASPサービスを利用するよりは長期的にははるかに安価に、文字通り大量メール配信を実現することができます。
プロバイダのメールサーバーを利用する
しかし、配信数の制限が…
しかし、2006年時点ではプロバイダのメールサーバーを利用してメール配信するにはいくつかの問題があります。やはり迷惑メール規制の問題が絡んできます。
プロバイダ毎に迷惑メール規制の方法・程度は異なりますが、一番ネックになるのが配信数の制限です。
しかも、プロバイダは配信数の上限については情報公開していないのでさらに厄介です。
例えば、YAHOO!のメールサーバー(SMTPサーバー)を使う場合、1度のメールサーバー接続でのメール配信数は2006年9月現在で25通に制限されているようです。
連続でメール配信したら…
この制限を回避するためには、1通1通を個別に連続送信する必要があります(本ソフトでいうところの「通常方式」(「メール配信方式」のうちの一つ)のことです)。
ただし、数十通程度の送信でもこれを何回かに分けて繰り返し行うと、「短時間の間に大量のメールを送信」したものとして違反行為になります。
この場合、通告メールが届きますが、これを無視して送信すると、即座にメール送信ができなくなります。
しかし、例えば、Yahooではメールアカウントを10個まで取得することができます。これを最大限にまで活用すると、目安として1つのメールアカウントで1日100通までメール配信ができるとすると、1日に1,000通、つまり月に30,000通のメール配信は可能になる計算です。
ASPサービスでは大体月10,000通のメール配信で月々約8,000円かかりますので、これを無料で実現できる『エクセルでEメール+』とプロバイダのメールサーバーとの組み合わせの方がずっとお得だということがお分かりになるでしょう。
さらにBCC方式でメール配信…
さらに、本ソフトでは迷惑メール規制対策として、BCC方式でのメール配信もサポートしています。この方法だと、1回の送信でBCCに指定できる相手の数の上限は80通くらいで、連続送信方式よりも安全です。
富士通といった大手メーカーもそのHPで大勢(「40人近く」としています)へ同時にメールを送信するために「Bcc」で送るのを推奨しています。
大勢への同時送信メールは「Bcc」で送るのがマナー。- AzbyClub 使いこなし : 富士通
しかし、BCC方式でも繰り返し行うとやはり違反行為とみなされる可能性が高くなります。
そこで、プロバイダのメールサーバーを賢く利用する方法は…
そこで、本ソフトでは 連続送信をする際に、各メールを配信する間隔時間を0秒から無限大に設定できる仕様にしました。
つまり、「短時間」で「大量」のメール配信が禁止ということなので、「短時間」での「大量」メール配信にならないようにするわけです。
例えば、私はプロバイダのメールサーバーを利用するときには、メール配信間隔を60秒(1時間で約60通)から180秒(1時間で約20通)以上は取るようにしています。
一度、配信間隔を120秒(1時間で約30通)程度に設定し、夜寝ている間の8時間で240通程送信してみようかと思っていますが、まだ試みていません(笑)
この方法でプロバイダのメールサーバーを利用することにより、手軽、無料、確実に大量にメール送信できます。
確かに時間はかかりますが、夜寝ている間などに行うので問題はありません。それに本ソフトはCPUパワーはほとんど使っていないので、本ソフトが稼働中でもPCは問題なく使用できます。
いずれにせよ、プロバイダでのメール送信ができなくなるという事態はかなり問題なので、プロバイダのメールサーバーを利用して「大量」のメール配信をする場合にはくれぐれもご注意ください。
安価なレンタルメールサーバーを利用する
個人が安価に独自の配信スタンドを持つために注目したいのが、『エクセルでEメール+』と安価なレンタルメールサーバーの組み合わせという方法です。
有名なロリポップのレンタルサーバーは月額250円(税込263円)から利用できます。メールサーバーに特化した格安レンタルサーバー「えらべるメール・えらべるWeb」にいたっては、何と月額88円で利用できます。
「ロリポップ」の方が少々高いですが、独自ドメインを利用できたり、買い物かごシステム(ショッピングカート)を利用できたりなど付加価値が色々ついています。
ただし、「ロリポップ」にしても「えらべるメール」にしても、1日のメール配信数は100件に制限されています。
また、こうしたレンタルメールサーバーを利用する場合に注意しないといけないことがあります。
これは一度実験したみたことなのですが、レンタルメールサーバー(多くのASPサービスも含まれるかもしれません)による大量メール送信はたとえ中継エラー(中継エラーについては、送信エラーになった場合を参照してください。)にもならず送信先のメールサーバーにメールを送り届けることができたにせよ、結局最後の土壇場(プロバイダそしてメールソフトの迷惑メールフィルタ)で迷惑メールに振り分けられている可能性が高いのす。
これは、こうしたレンタルサーバーを利用している人の中には必ず大量のスパムメールを送信している人がいるため、そのレンタルサーバーから配信されたメール全体がスパムメール扱いを受ける可能性があるためです。
こうした落とし穴もあることを認識した上で、プロバイダのメールサーバーと上手に使い分けていったらいいかと思います。
最後に
『エクセルでEメール+』は、ごく普通の個人が簡単・手軽にメール配信スタンドを持つ、というコンセプトからスタートしたのですが、以上のような迷惑メール規制強化の中、ほとんどの人が普段あまり意識することはないであろうメールサーバーという専門的な知識についても少し立ち入って説明せざるを得ませんでした。
しかし、専門家になる必要はありません。本サイトでご説明している程度の入門知識があれば十分です。要はメールサーバーをその性格に応じて使い分けていければいいのです。
なお、本ソフトでは、メールサーバー(さらにメールサーバー毎の複数のメールアドレス)を使い分けるための機能も備えています。
こうした本ソフトの機能を活用してメールサーバーと上手に付き合っていきましょう。

